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先日、Wordpressのコメント関連のプラグインを自動更新したらエラーになってしまって、どうしたらいいのかわからずに困ってしまっていました。以前にバックアップをとっておいたファイルをもう一度アップしなおして今回はなんとか復旧。もうね、最近はよくわからないのですよ、こういうwebのこととか……やる気の喪失もあるけど、検索して答えを探そうにもそのためのキーワードすら思いつかない。

不眠と倦怠感が最悪の状況ではあるけど。昨夜は眠れないままにテレビでフットボール見てました。スーパーボウルの録画映像ですね。ごっついjockなアメリカお兄ちゃんたちがプロテクターまで着けてがつんがつんぶつかり合うなんていかにもアメリカ人の好きそうな”ショー”だけど、見てたら意外とオモシロイ(笑)ただ、調子が落ち込んでいるときに元気なひとたちを見ているとだんだん苛々してしまう…もう私自身がfatal errorですな。

映画「ブーベの恋人」

ブーベの恋人 (トールケース) [DVD]
ブーベの恋人(1963)

ここのところ、というか昨年からあまりよく眠れない日が続くのでなにか暇つぶしになる本とDVDは必須なのです。ですが、こういう名作を観だすと確実に眠れなくなります。

そんなある夜に観たのは「ブーベの恋人」。舞台は第2次大戦直後のイタリアですね。バルチザンの一員だったブーベ(ジョージ・チャキリス)は同志の死を伝えに寄った家で妹のマーラ(クラウディア・カルディナーレ)と出会います。荒涼として埃っぽい田舎の町。風景と人物の陰影が印象深いモノクロ映像です。音楽も有名ですよね。

ブーベは元バルチザンということで少し暗い側面のある男です。そんな彼はある事件で殺人犯として追われる身となってしまいます。それでも彼についていこうとするマーラ。マーラはまだこの時点では幼ささえ残る田舎娘というかんじなのですが、その決意は固いようです。ブーベは国外に逃げてほとぼりの冷めるのを待とうとしますが、そんな間にブーベをまちわびるマーラの気持ちを揺らがせる存在も現れて……

甘すぎず辛すぎずの物語。冒頭シーンへと回帰する最後の鉄道駅のシーンもよく出来ているし。なによりマーラの迷いを乗り越えたあとの心の強さに打たれます。

ジュリア・カールスン ローゼンブラットら著 『シャーロック・ホームズとお食事を』

シャーロック・ホームズとお食事を―ベイカー街クックブック
ジュリア・カールスン ローゼンブラットら著 粕谷宏紀ら訳 『シャーロック・ホームズとお食事を ベイカー街クックブック』 東京堂出版

シャーロック・ホームズとお食事を…なんて言われてもねぇ。小説は好きだけど実際にあんな人がいたら同席するのは御免ですね。変人すぎます。ハドスン夫人の苦労がしのばれるところです。

もともとホームズは食といった快楽は否定的な人物だと思うのですが(コカインやってるけど!)、もともと小説じたいに食事のシーンは大して出てこない。でも大して出てこないかわりに出てくる時は非常に重要な場面が多かったりします。本書ではそのように小説中にでてくる料理だけでなく、そこから連想されるヴィクトリア朝期の料理が場面ごとにたくさん紹介されています。こうした連想を働かせるところはまさにシャーロッキアンというものですが、例によってというかけっこうこじつけじみたところもあったりしてなかなか楽しめます。

アレコレ出てくるけど、一番おいしそうなのは……やはりローストビーフかな。

佐藤賢一 『カペー朝 フランス王朝史1 』

カペー朝―フランス王朝史1 (講談社現代新書)
佐藤賢一 『カペー朝 フランス王朝史1 』 講談社現代新書

歴史小説で有名な佐藤賢一氏の書く「歴史解説」ですね。氏のこのような書物には『英仏百年戦争』(集英社)などあってなかなか興味を抱ける内容でしたが、本書もまた違わずなかなかの出来でした。

題名のとおり、「カペー朝」というなんとも地味~な時期を取り上げていますね。しかも「フランス王朝史1」ということはヴァロワ朝などへと続いていくのでしょうかね。

まずはフランク王国から「フランス」が出発する時代へ。中世の貴族たちにとって領地はいかに広くても個人の所有財産にすぎなかったということは西洋史を見るときに押さえておきたいところですね。それは今だったら国境線やらなんやらある所を適宜線引きをして子供たちに分割相続させてしまったりするところに表れます。ヴェルダン条約(843年)、メルセン条約(870年)によってフランク王国が分割されて以降、それぞれが異なる国として進みだして以降の話。王という肩書きを持って封建法上は諸侯を従える立場にあっても、実力が伴わなければ諸侯に抑えられて実権を振るうことの出来ない時代。すでに衰退したカロリング朝の時代に厄介な王位を継ぐことになってしまったユーグ・カペーという人物からはじまるカペー朝の物語です。

著者はやはり小説家ということで、本書はひとつの物語として読むのがよいかもしれませんね。主観的な表現もまま見られるのでそうしたところは学術系の書物とは線引きをしておくのが読み手の分別であるかと思います。こうした新書本はわかりやすくて読んで楽しいけど、一方では学生なんかがレポート等学問の場で安易に引用しちゃったりしないかなーなんて余計な心配もしてしまったりします。以前も「文献・資料」と「読み物」の区別のついていない人がいたからなぁ。

ジョゼフ・ギースら著 『中世ヨーロッパの農村の生活』

中世ヨーロッパの農村の生活 (講談社学術文庫)
ジョゼフ・ギース フランシス・ギース著 青島淑子訳 『中世ヨーロッパの農村の生活』 講談社学術文庫

この著者による書物はほかに『中世ヨーロッパの都市の生活』・『中世ヨーロッパの城の生活』が出ているけど、本書が一番濃密な内容になっているかもしれません。
学術書ではないという断りはあるものの、中世にはエセリントンと呼ばれた現在のエルトンという農村を中心にしつつイングランドの中世の農村について端的な内容を述べるだけではなく、農村の封建法上の制度に関してまで踏み込んで述べられているからです。

農村の生活は支配する者と支配される者の関係から成り立っていた。支配する者は土地を与えることによって生産をさせ、そこから収入(税)を得ていた。パン焼き窯や粉挽き用の水車小屋の利用に関してまで税をとり、農奴身分の者に関しては結婚税まで取り立てていたという。ほかにもそこまでするかと苦笑してしまうほどえげつない税金が登場してきます。当時の農民には絶対生まれたくないですね。しかしこうした細かい記録が残っている、というのはやはり教会や修道院のおかげなのかもしれませんね。イングランドなので修道院は途中で破壊されてしまうとはいえ現在に史料として伝わっているということ。また、驚いたのは当時の廃村が残されていたり、航空写真によって当時の村や耕作地の痕跡を確認できるということ。農村の事件などについても当時の検視記録から引用されていたり、並みのミステリよりはよほどおもしろい一冊でした。