たら本第26回 『 本に登場する魅惑の人々 』 (人気ランキング付き)

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今回のたらいまわし本のトラックバック企画はワルツさん主催『 本に登場する魅惑の人々 』 (人気ランキング付き)
ちょっと出遅れてしまったかもです。
ワルツさん、たらいを受け取っていただきありがとうございます♪

さて、魅惑の登場人物です。魅惑のお題ですね。

辻邦生『春の戴冠』からシモネッタ・ヴェスプッチ

春(Primavera)

以前にも挙げた本ですが、好きな本は何度でも……。
この小説は古典語教師フェデリゴの回想録という体裁で、幼馴染のサンドロ・ボッティチェルリを中心に、そしてその時代のフィレンツェの歴史上の人物が登場します。

なかでもシモネッタは花の都フィレンツェ(物語中ではフィオレンツァと表記される)の盛りを象徴するような存在として描かれていました。

サンドロ(・ボッティチェルリ)の絵画。描かれる花の盛りのフィレンツェ。芸術だけではなく、プラトンなどのギリシャ文学も再興(まさにルネサンス)する時期でもあります。
フェデリゴの師はユマニストマルシリオ・フィチーノという、なんとマニア受けすることか(どういうマニアだ……?)。フィリッポ・リッピも出てきちゃう(マニア向け?)

花の都、まさにプリマヴェーラの時期。そしてその陰りの時期。一つの都市の盛衰の時期とそのなかに生きる芸術・文化・人の姿。

歴史小説として満足できる重厚さも魅力。じっくりとひとつの時代を小説として読むことが出来る作品です。
残念なことに本が手に入りにくいようなので図書館で辻邦生全集(新潮社)9,10巻を参照するのが手っ取り早いです。

ジュリアン・グラック『シルトの岸辺』からヴァネッサ
女性続きで(笑)

シルトの岸辺

架空の国オルセンナはシルト海を挟んで敵国ファルゲスタンと300年も対峙し続けている。しかし現実に交戦することはなく、「戦争」という暗黙の状況下で何もない状態が長く続いている。
オルセンナの若い将校アルドーはその奇妙な「前線」へと配属されるのだが。
しっとり静かな文体とともに大きな崩壊を予感させるオルセンナ。今まで口に出すことさえ避けられていたシルト海へと出て行こうとするアルドー。ヴァネッサはまるで海の誘惑を象徴するかのような印象をもって登場するのです。

それにしても、なべて発想が貧弱というか、思い入れが薄いのであえて挙げるとなると以上でしょうか。読み方が適当なんでしょうか。人物が出てこない書物の類を読むことが多いせいかも。
これを書きながら、『春の戴冠』を読み返そうと思いました。読後感というより、読中から美にとらわれてしまうような辻文学の味わいを求めて。

  1. Ciel Bleu

    たらいまわし企画・第26回「本に登場する魅惑の人々」(人気ランキング付き)

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  2. LIN

    nyuさんはあまりキャラ萌えしないのですね。
    実は昨日、お風呂で
    「果たして、小説として、キャラが魅力的な方がいいのか
    そうじゃない方いいのか」
    ということをずっと考えてました。
    あまりキャラクターの魅力にばかりとらわれていると
    その作品の本来の魅力がわからなくなってしまうのではないかと…
    そういう意味でnyuさんの読み方はとても上品だなあと思いました。
    『シルトの岸辺』おもしろそう。
    先日、映画「ハウルの城」を見てから、架空の国同士の戦争萌えなのです。
    (ハウルなんかと比較してごめんなさい 汗)
    と軽く考えたのですが、いろいろ検索してみるとなかなか手ごわい作品のようですね。
    「結局、よくわからなかった」という感想を書いていらっしゃる人もいる(笑)
    読んでみたいです。

  3. nyu

    LINさん、こんばんは。
    「萌え」てしまうことってなかなかないですねぇ。
    もちろん、ポワロやホームズなどなど定番どころの人物は大好きでよく読んでいます。
    キャラで読者を引き寄せようとするとライトノベルや漫画に近くなるのかなぁ。魅力的であることに越したことはないですが、それだけでは小説は成り立ちませんよね。
    かといって読む気が失せるような人物が出てくる小説なんてイヤですが。
    うーん、文学ってむずかしい(逃げ)

    『シルトの岸辺』もあまり深く考えないで読んでみると、文章(訳文)はきれいだし、ややこしいことが書いてあるわけでもなくて表面的にはわかりやすいのです。
    私が表面的な読み方しか出来なかったということでもありますが、一見やさしく、でも深い内容を書き込むということは相当難しいことなんだろうなということは想像できます。
    きっと、LINさんならシルト海の奥底まで読み解かれるに違いないです(笑

  4. ワルツ

    ◆ nyuさん、こんばんは。
    キャラ萌えはあまりしないとおっしゃるnyuさん♪
    すみません。そうですよね~(笑)
    内容重視ですよね。いつも書いて下さるnyuさんの記事、すごいし、面白いし。
    キャラに「きゃー」とか言ってる私とは。。(笑)

    でも、でもボッティチェルリの絵、いいですね。この本にすごく魅かれました。
    彼の時代も大好きです。(フィレンツェ、メディチ家~♪)
    それに、油絵じゃなく、彼がテンペラの画法をとっているのも美しさや愛らしさが増しているように思います。
    シモネッタは、絶世の美女!として名前はよく聞くのですが(ロレンツォ・デ・メディチの弟ジュリアーノの恋人としても)
    ボッティチェルリも再三絵のモデルとして登場させているのは心を奪われていたので沿うか。
    nyuさんが挙げられてるくらいだから素晴らしく魅力的な女性なのだろうなぁ。
    是非是非、辻邦生の「春の戴冠」を読まなくては~(*^_^*)。
    記事に書いておられるように、図書館で辻邦生全集からがいいみたいですが、
    ランキングの方は、Amazonからヒットしたものをリンクさせてもらいました。

  5. ワルツの「うたかた日記」

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  6. 柊舎の書庫

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  7. nyu

    ワルツさん、主催おつかれさまです。

    そんなことはないですよ、辻さんの描くシモネッタにはきゃーきゃー言ってしまうかも。
    『春の戴冠』はまるっとフィレンツェの黄金時代をあつかっているので、この時代のお好きな方にはおすすめですよ(ちょっと長いですけど)。
    コジモ・デ・メディチ、ピエロ、ロレンツォ、ジュリアーノといったメディチ家の人々も生き生きと描かれています。若くして亡くなるシモネッタ。フィレンツェの繁栄に陰りが出る時期まで。
    古典語教師という一市民の生活視点から書かれているところも作品に生命を与えているような気がします。
    フィレンツェの政治、貿易、学問芸術。一時代がまるごと妥協なく描かれていて、本のなかに当時のフィレンツェが再現されているようなのです。

  8. 四季

    nyuさん、こんにちは~。
    確かにキャラ萌えしてるnyuさんは想像がつかないかも…(笑)
    でも小説として、魅力的なキャラクターが大切なのか
    それとも本筋の方が大切なのかというのは
    やっぱりバランスの問題なのではないかと思います、私。
    魅力あるストーリーに魅力ある登場人物、
    どちらも兼ね備えてるとなると、なかなか難しかもしれないですが
    存在しないわけではないですし~。
    でも、キャラ萌えしてる人が多い作品なんかだと
    逆にそういう話なのかと敬遠されることも多かったりしますよね。
    実は本筋もすごくしっかりしてて面白いのに
    色眼鏡で見られてしまって勿体ないなーって思うことがあります。

    「春の戴冠」のご紹介、ものすごく魅力的です。
    >読中から美にとらわれてしまうような辻文学の味わいを求めて
    いいですねえ。ぜひ読んでみたいです!

  9. みらくる

    nyuさん、こんにちは。

    私はついつい登場人物に思いっきり感情移入してしまうことが多いので、魅力ある人物が登場する小説が好きです^^
    そのうえストーリーが面白ければ文句なしです!
    自分好みじゃなくて全く好みとは正反対でも「なんだこいつはー!」と腹をたてながらも気になったりします。
    たら本では違うお題でもついつい好きな本を挙げたくなってしまいますよね。私も何度か同じ本を挙げたような気がします。
    nyuさんが「好きな本は何度でも……。」とおっしゃる『春の戴冠』、図書館で探してみます。辻邦生さんの本、まだ一度も読んだ事がないので辻邦生さんがどのような作品を書く人なのかも後で調べてみたいと思います!

  10. take a break

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  14. nyu

    四季さん、こんにちは。
    もちろん魅力的な登場人物は大好きですよー。
    いい作品、というのは、四季さんのおっしゃるとおり、バランスですね。
    といいますか、好き嫌いという単純な感覚でしか選んでいないです(笑
    適当だなぁ…
    読んだ「私」が面白いと思った感覚をどう他人に言葉で説明するのかが重要だと思ってはいるのですが、
    私などはレビューともいえないような適当紹介記事ばかりで…。
    辻さんの文章は(といっても全著作を読んだわけではないのですが)言葉も説明もとてもていねいなので少々長い作品でもするすると頭に入ってくるような気がします。

  15. nyu

    みらくるさん、こんにちは。
    あっ、ブログお引越しされたのですね。
    今回もよろしくお願いします。

    そうなんです、好きな本は何度でも…って開き直ったようなことを言ってしまって申し訳ないのですが、
    どうも持ちネタが少なくって……。
    皆さんみたいに読書歴長く、新刊もばりばり読んでいる方々には敬服しきりです。

    ふと思いついて調べたのですが、辻邦生さんは、某A川賞→文壇デビューというような作家ではないのですね。逆説的に、だからこそものすごく偉大に思えるほどです。学習院大学の先生でもあるところから、迎合せず、妥協せず本当に自分の書きたいものだけを追求しているという印象があります。
    北杜夫さんと旧制高校時代からの親友ということで、北さんのエッセイにもよく登場しています。そういう友達ってうらやましいですね。

  16. Le Journal de La Princesse frivole

    たらいまわし本のTB企画第26回 『 本に登場する魅惑の人々 』 (人気ランキング付き)

    久々に参加します、通称たら本。今回の主催はワルツの「うたかた日記」のワルツさんで、お題は『本に登場する魅惑の人々』。

    「本の中でいきいきと動く魅…

  17. Mlle C

    『春の戴冠』おもしろそうですね。
    歴史物が大好きなのでこれも挑戦してみたいです。
    辻邦生さんなら間違いなさそうですし!
    あまりキャラ萌えしない、というのはきっと純粋に小説を楽しんでおられるからだと思います。
    萌えキャラがいる=いい小説ではないですからね(^^;
    いかにも読者の萌えを誘いそうな人物を造形するのは簡単ですが(ラノベなんかには多いですよね)、作品自体に魅力があるものとなるとなかなか難しいですから…

    ところで、TBしようと思って何度か挑戦したのですがうまくいかないようです(涙)。
    最近こういうことが多いのでたぶん私の方に問題があるのだと思います…。
    明日また試してみますね~

  18. nyu

    Mlle Cさん、こんばんは。
    信頼の辻文学ですね(笑
    辻邦生さんの作品で歴史ものに開眼したようなものなのです。
    ちょうどいい機会なので『春の戴冠』、読み返しているのですが、
    キャラ萌えではなく、作品自体に「萌え」に近い感覚を感じているような気がしてきました。
    やはり、登場人物も含め、作品・世界を構築せずにキャラだけ作っても薄っぺらいですね。

    TBですが、受信できているようでした。
    ここを置いているサーバーが近頃重いのでエラーになったか、はたまたスパムフィルターの誤作動か、難しいところがあるようでご迷惑をおかけします。

  19. 猫の読書録

    たらいまわし本のTB企画第26回 『 本に登場する魅惑の人々 』 (人気ランキング付き)

    たらい回し企画26回。
    遅ればせながら参加させていただきます。
    今回の主催者はワルツの「うたかた日記」のワルツさん。
    本の中でいきいきと動く魅力的な…

  20. moji茶図書館

    たらいまわしTB企画第26回「本に登場する魅惑の人々」(人気ランキング付き)

    知らないうちに開催されておりました!!ネット環境がまた途絶えてしまったので不自由してます。今回はワルツの「うたかた日記」のワルツ様がお題を出していらっしゃ…

  21. ワルツ

    nyuさん、こんばんは。
    今晩、結果発表してみました。
    ご参加本当に有難うございました。(多謝)

  22. nyu

    ワルツさん、ありがとうございます。
    ほんとうに、京極氏は強い!
    えーっと、はずかしながら告白しますが、無精にして京極作品を読んだことがないのです……映画も…
    今回、あらためてその人気の程を知りました。

    そして、なにより、お疲れ様でした。回答結果を集計するという趣向もとても目新しく、楽しませていただきました。

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